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, 2019/06/10
記憶に残る一回の体験

#記憶に残る一回の体験

視覚・聴覚に訴える情報氾濫時代

最近、YouTubeを見ている時に出てくるアンケート広告などで、「最近見た動画広告は?」と聞かれた時に、選択肢まで用意されているのに自分の中で答えが出てこないことがしばしばあります。自分のように企業や商品・サービスのコミュニケーションに関わることを生業としている人間であるにも関わらず、「どれも見たことがありそう…だけど、どれも覚えていない」なんてことが起こってしまいます。

初めは、プロとしての研究不足だとか、記憶力が衰えたのかなぁなどと悲観的に考えていましたが、色々とネットの情報を調べてみると、大多数の人が同じように思っているようでした。みんな、決してそうした広告と出会っていないと言うわけではなく、TVCMのように15秒に1種類の広告しか接しないようなマスメディア全盛期の頃と比べると広告との出会いは圧倒的に増えています。

こんなことを考えながらも、ふと冷静になってみると、人間の情報処理能力以上の情報が世の中に氾濫していると言うことが、すごく良くわかります。

飛騨古川の風景

「五感」を使った体験

一方で、数年前に岐阜県の飛騨古川という町を旅で訪れたことがあります。そこは白壁の伝統的な建物が並び、町の中をめぐる美しい水路を泳ぐ鯉たち、地元の食材を活かした美味しい料理、そのすべてが素晴らしい記憶として残っています。

そんな町を散策している時に見つけて入った酒蔵で、それまでほとんど日本酒を飲まなかった私に日本酒の旨さを初めて体験させてもらいました。伝統的な酒蔵の風情と、美しい水などその環境から、日本酒のことを何も知らない私に利き酒をすすめてくださる酒蔵の方まですべて含めたお酒の試飲体験が、忘れられない体験となり、今でもその味や酒蔵の情景が記憶に焼き付いています。

前者のような、企画されたビジュアルや音声という形で訴えかけてくる情報に対して記憶はほとんど残っていませんが、後者のように偶然に近い形であっても良い体験として刷り込まれたものは何年たっても鮮明に覚えています。そして、お店の日本酒コーナーに飛騨古川の日本酒が並んでいたら、おそらく今でも買って帰るだろうと思います。

ブランドエクスペリエンスの重要性が叫ばれて久しいですが、情報氾濫時代においては視覚・聴覚だけに訴えることだけでは「伝える」ことが成立しなくなってきており、五感を使った体験があってこそ「伝わる」時代なんだなぁとつくづく感じました。

百回広告を見るより、一回の体験でこそ、伝えたいことを伝えられるんだと。

コミュニケーションデザインユニット
木村 昌紘 Kimura  Masahiro

コミュニケーションデザインユニット
木村 昌紘 Kimura Masahiro

2017年 株式会社 YRK and入社。プランニングセクションのストラテジックプランナー。ワークショップやブレインキャンプを活用し、企業の本質的な問題点を抽出することから明確な戦略コンセプトを立案し、クライアントを目的に導く。また、クリエイティブディレクション経験も持ち合わせ、右脳的な感性と左脳的な論理をマッチングさせた新しいコミュニケーションを創造する。

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