#コモディティ化を突破する、ブランド戦略




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目次
  1. コモディティ化とは?

  2. コモディティ化の原因
  3. コモディティ化を突破する「ファンクショナルブランディング®」とは?
  4. 「ファンクショナルブランディング®」で最も重要なこと
  5. 機能価値の可視化の方法
  6. シンボルマークの重要性
  7. やり続けることが成功の鍵

コモディティ化とは?

コモディティ化時代

私たちの身の回りを見渡すと衣食住、ほぼ不便なことはもうなくなりました。しかもローコスト&ハイスピードで必要なものを必要な分だけ揃えることができる。近頃はそれに加えてデザインも素晴らしいですよね。統計的にも生活満足度が向上し、日常的不自由がない時代と言われています。「モノの価値を感じにくい」コモディティ化時代です。

どの商品もどんぐりの背比べに見えているということですね。コピーもすぐできちゃう時代ですし、これ以上のモノの飛躍的な発展がないのでは? と思ったりもします。こうなると、サービスや商品そのものに差別優位性を見い出せないので、「売れる」ポイントは販売価格の差だけになってしまい、価格競争が激化してしまいます。そこで体力勝負に勝てるのは大企業だけになってくるという負のスパイラルに陥ってしまいます。

コモディティ化の代表的な例

デジタルカメラや薄型テレビといったデジタル家電や、太陽光パネルや半導体など、製造方法が確立すれば誰でも量産が可能な、いわるゆ「モジュール化」製造の商材が該当します。かつて白物家電でトップシェアを維持していた国内メーカーが、中国や韓国メーカーの低価格商材にシェアを奪われた歴史は記憶に新しいと思います。

コモディティ化の原因

コモディティ化の原因は幾つか存在しますが、大きくはインターネットの発展です。国内海外問わず、成功企業のビジネスモデルや技術情報、アイデアがインターネットを介して簡単に手に入る時代になり、模倣(コピー)が簡単にできる時代になりました。自社が新しいアイデアを新商品に投入しても、製造工程をモジュール化して、すぐ模倣される。この流れのスピードは年々早くなっています。

そんな、モノや情報が溢れる市場において、生活者に「指名されるブランド」になるために、まず、数多くある商品やブランドの中から一歩抜け出て選択肢に入り込むことが重要です。瞬間的に発見でき、直感的に何か良さそうだ!と「機能性ではなく、機能感を醸成」することが重要な鍵を握ります。

コラム image01_コモディティ化とは(リブランドならYRK&)

コモディティ化を突破する「ファンクショナルブランディング®」とは?

コラム image02_コモディティ化を突破するファンクショナルブランディング(リブランドならYRK&)

※「ファンクショナルブランディング®」はYRK&の登録商標で独自に開発・提唱するブランド戦略メソッドです。

機能訴求(ファンクション)にはスペック優先、コモディティ化、差別性の弱さ、ストーリーの欠落、ベネフィット不在など、コミュニケーション戦略においては、どちらかと言うとネガティブな印象が多いかと思います。我々が伝える「ファンクショナルブランディング®」は「その機能」を聞いた時に、「その機能」がもたらす価値や、便益、有効性、満足感、その後の環境イメージまでを、一貫してイメージさせられるかどうかが大切だと考えます。

すなわち、ブランディングとして、その機能から「連想される世界観」の閾値にまで達しているかどうかが重要なのです。

「ファンクショナルブランディング®」で最も重要なこと

機能が持つ本質的価値を抽出し、言語化、可視化と磨き上げることも大切ですが、その機能だけをプロモーションすること自体は、実はそう難しくありません。その価値を「ブランディング」として、やり切れるかどうかが最も重要なのです。価値を積み上げ、蓄積し、PRや広告、SNSやクチコミをコントロールしながら、社内外のどちらをも「連想される世界観」にまで連れていけるかどうか。そして、その機能を「ブランド資産」と捉えて、継続的に投資できるかどうかに「成功と失敗の大きな差」が生まれるのです。

コラム image04_ファンクショナルブランディングの成功事例(リブランドならYRK&)

シャープのプラズマクラスターが典型的な成功例だと言えます。あのぶどうのシンボルですが、プラズマ放電によって作られたIonが集まった状態がぶどうの房(クラスター)に似ていることからネーミング化されてマーク化されています。このマークはwithコロナにおいても、清潔で安心な品質のマークになり、大成功し続けています。

「清潔で安心感」が連想される世界観として構築されているからこそ成功したのですね。さらに、「ファンクショナルブランディング®」のもう1つのメリットは、この機能が搭載されている各商品を横軸で突き刺すことができます。プラズマクラスターは、空気清浄機、加湿器、エアコン、掃除機、ドライヤー、LEDライト、そして飛行機、電車、車、公共機関にも拡張し、シャープ全体のブランドイメージにまで発展しました、つまり「点の戦い」から「群の戦い」に持ち込めたということです。

コラム image05_ファンクショナルブランディングで「点の戦い」から「群の戦い」へ(リブランドならYRK&)

圧倒的な潔さと強さを感じますね。

ユニクロのヒートテックは「暖かさと着心地」が連想される世界観となり、ファンクショナルプロダクトとして圧倒的なシェアを獲得し続けています。少し古いですが、Intel社は「インテル入ってる?」のメッセージとともに、「インテルが入っていることでの高性能感」を連想させています。GORE-TEXは「完全防水素材と大自然にも負けない強さ」を連想させてくれます。

このように、機能性だけを伝えても伝わりにくい価値が、「ファンクショナルブランディング®」により「機能感」を醸成し、持続的に戦略的に「ブランディング」されているのです。

ですので、単なるマークのデザイン、単なるプロモーションとは大きく違うのです。ちなみに下図にあるように、機能だけでなく素材や思想などを可視化する企業も最近は増えてきています。

コラム image06_ファンクショナルブランディング5つの分類(リブランドならYRK&)

機能価値の可視化の方法

その商品が持つ機能の一番優れたポイントをワークショップなどで議論し、言語化、可視化していきます。実は、企業側が伝えたいと思っている価値と、生活者側が求めている価値にズレが生じているケースがよくあります。だから、第三者的な視点を入れて、市場と社会を俯瞰して機能の本質的価値を決めていくことが重要になります。

これは、企業側から広告代理店へのオリエンテッドなしくみでは到底生まれません、ブランディングに特化したパートナーと共に、共創型で取り組まれることをオススメします。この価値抽出は意外と体力が要りますが、見つかった時はプロジェクトチームが一丸となる満足度があります。一過性のものではないので、形に残りますしね。

機能の本質的価値が見つかっても、基本的には機能訴求がベースであるため、一般生活者には難しかったり、複雑だったりするので、クリエイティブの力を使って、わかりやすく、クリティカルにネーミングをブラッシュアップしていきます。次にデザインの力で人の記憶に残るマークをシンボライズしていくのですが、ブランドを背負うことになるので慎重に、色々検証しながらファンクショナルブランドのシンボルに昇華させていくのです。

シンボルマークの重要性

1971年にカリフォルニア大学の心理学者メラビアンが提唱した法則では、話の内容などの言語情報が他人に影響する割合はたった7%、つまり人間は視覚で物事を判断しているのです。

周りを見渡してください、まず目に入るのは映像や写真ですよね。次に図柄や色、最後に文字なのですね。人間は100年前も100年後も視覚に頼って生きているのです。ブランディングは企業と生活者との信頼をデザインする仕事です。その1つのシンボルマークは、生活者が安心できる品質の太鼓判のようなものだと考えています、ただのマークではありません。

コラム image09_人間の五感による情報判断の割合(リブランドならYRK&)

やり続けることが成功の鍵

最後に、どれだけ素晴らしくてもファンクショナルブランドを創るだけでは何の意味もありません。そのファンクショナルブランドを「一貫性を持ってプロモーション」していくことがとても重要なのです。YouTube、SNS、TVCM、WEB、店頭、OOH、PRなど、多角的なメディア時代に、その機能から「連想される世界観」をまるごと浸透させましょう。

どんな商品にも必ず機能があります。「今すぐにでもはじめられるブランディング」ですので興味があればぜひお問い合わせください。

【こんな企業にオススメ】


①競合製品・サービスとの差別化を図りたい


②ブランドのコミュニケーションの主戦場として店頭にウエイトがある


③特許技術など独自技術の価値が伝わっていない


④販売員のセールストークとなるものが確立されていない


⑤機能を基点に自社製品を横軸につなぎ、他製品の購入につなげたい


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株式会社 YRK and
ブランドクリエイティブユニット(BCU)
ブランドクリエイティブディレクター
大西 イッセイ
Writer

株式会社 YRK and
ブランドクリエイティブユニット(BCU)
ブランドクリエイティブディレクター
大西 イッセイ

2016年株式会社 YRK and入社。 広告クリエイティブを得意分野とし、最終的なメディアと生活者の接点から逆算したブランドデザインを構築。クライアントへの粘り強いヒアリングからコンセプトメイクを行い、ストーリー性やエモーショナルな要素を重視した一貫性のあるクリエイティブディレクションをトータルに行うことで真似のできないブランドを成功へと導く。

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