企業変革をリードするのは、企業の内側にある「本質」

2021.04.26

#企業変革をリードするのは、企業の内側にある「本質」


企業変革の必要性

「GDP戦後最大の落ち込み、日本経済は100年に1度の危機に直面」

今回の新型コロナウイルスは、企業と個人の意識や価値観を大きく変えるインパクトを与えました。発生した当初、これほど深刻で、長期的な事態になることをどのくらいの人が想像したでしょうか。

そして、コロナの感染拡大が長期化したことで、「コロナが落ち着いても、元に戻らない」と人々は考えるようになりました。

「元に戻らない」ということは、新しい価値や仕組みを作らなければいけないということ。私たちは、企業活動や生活を継続させるために、withコロナという新しい世界で、どのようにして生き残っていくのかを考え始めたのです。

YRK&をはじめ、コンサルティング業界では、withコロナ時代を生き抜くための企業変革に関する相談が絶えることがありません。多くの企業は存続していくために、ビジネスモデルや組織構造を根本から見直す必要性と重要性を理解しているが、どうすればいいか分からないからです。

withコロナ時代の新しい価値や仕組み

企業活動に影響を与えた3つのインパクト

企業変革を実行していく上で、まずは今回の新型コロナウイルスが企業活動に与えたインパクトを整理すると、次の3つが考えられます。

① 企業の業績悪化による戦略の大胆な見直し

2021年3月末現在、2021年3月決算の上場企業802社が業績を修正し、75.3%が上方修正を行いましたが、2020年4月~12月期決算では、最終利益の合計が前年同期比33.9%減4兆2,760億円に落ち込んでおり、業績悪化は深刻な問題となりました。

出典:「上場企業の業績修正動向調査(2021年3月期決算)」 帝国データバンク

企業の業績悪化

② リアルからデジタルへ移行、企業のDX化

ユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされていた「テレワーク・ワーケーション」「Zoom映え」「オンライン○○」からも分かるように、企業活動は【リアル】⇒【デジタル】に移行することになりました。

出典:「第37回 2020年 授賞語」 ユーキャン

それによって、これまでの営業活動や業務のオペレーションを、デジタルに変えなければ生き残れない状態になりました。

リアルからデジタルへ移行、企業のDX化

③ 企業や個人の意識や価値観の変化

3つ目が、コロナが与えた最も大きなインパクトだと私は考えています。

VUCAと言われる時代、変化が激しく、複雑で答えのない世の中。それに加えて、コロナによって先が見えない日本経済、そしてデジタル化による企業活動の変化。これまでの常識やこれまでの成功体験が通用しない世の中になりました。

テレワークが増え、ひとりの時間を過ごしている中で、次のような問いかけを自分自身にした人も多いのではないでしょうか。

・私たちは、何のために働いているのだろうか?
・会社はなんのために存在しているのだろうか?
・なぜ、毎日会社に通っているのだろうか?

企業や個人の意識や価値観の変化

コロナによって企業や個人が、このような本質的な問いに向き合い、自らの存在意義を考える機会となったことは間違いありません。

「社会課題を解決し、世の中を良くしたい」

SDGsに代表される社会的責任が企業戦略上でも重要視される今、企業も、個人も、社会に目を向けるきっかけになったと考えられます。

社会に目を向けるきっかけ

重視すべきは企業の収益か、それとも個人の心の豊かさか

緊急事態宣言中に議論となった「経済活動の維持」「社会や人々の安心・安全」か、もちろん、どちらかひとつが満たされていればよいというわけではなく、2つを両立させる必要があります。

企業も同じです。withコロナ時代でも収益を拡大するための活動と社員一人ひとりの幸せと安心・安全を両立させる必要があります。

経済活動の維持と社会や人々の安心・安全

この2つを両立させる変革は容易ではありません。

急激に変わったビジネスモデルに対応しながら、危機感や不安感を持つ社員一人ひとりの心の豊かさに向き合い、企業を変革していく必要があるからです。

私たちYRK&は、この難しい変革を成功に導くカギは、企業の思考を変えることだと考えます。目の前の課題に対応するのではなく、企業の本質に目を向け、将来のありたい姿を描き、バックキャスティングで解決すべき課題を見つける。それこそが、企業の思考やビジネスモデルをスピーディに変え、将来起こりうる危機にも柔軟に対応できる強い組織をつくることにつながると考えております。

バックキャスティングで課題を見つける

企業の思考を変革するために重要な2つの指針

未来を予測することができない時代、ロジカルで過去の成功体験から導き出された戦略よりも、ビジョナリーでリーダーの意思や夢のある戦略の方が、人の心を動かすようになってきました。リーダーが組織やメンバーを動かしていくためには、自分の内面から湧き上がる、自らの想いや意思が重要であり、複雑な社会では、理屈よりも情熱の方が人を動かします。

自分たちの存在意義や社会的使命を言語化した「Mission」、将来のありたい姿を描いた「Vision」、これからの時代を生き残っていく企業は、この2つが組織の中に根付いていることが条件になってきます。

社員一人ひとりが自分ゴト化できていなければ意味がない

YRK&には、「『Mission』『Vision』はホームページや社内の周年イベントで共有しているけれど、社内になかなか浸透しない」という相談も寄せられます。

そう、最も難しいのは「Mission」「Vision」を策定することではなく、社員一人ひとりがその意味を深く理解し、自分ゴトとして事業活動につなげている状態をつくることです。それをつくりだすことができれば、間違いなく企業は変革し、厳しい世の中でも生き残ることができるでしょう。

ミッションやビジョンの自分ゴト化

最後に

私が率いているブランドコンサルティングDivisionでは、クライアントの事業を持続可能にするための企業変革支援を行っています。1社でも多くの企業が「事業の収益」と「個人の心の豊かさ」を両立できることを心から願っています。

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株式会社YRK and
Brand Consulting Division
ディビジョン長
石嶋 久稔
Writer

株式会社YRK and
Brand Consulting Division
ディビジョン長
石嶋 久稔

2019年4月株式会社 YRK and入社。ブランドクリエイティブユニット(BCU)のブランディングストラテジストとして活動したのち、2020年9月から現職。
経験豊富なマーケティングリサーチや柔軟なファシリテーションによるワークショップで、常に生活者視点でブランド戦略の構築を行う。
また、企業を内側から強くするインナーブランディングで、個人の思考と行動に変革をもたらすコンサルティングも行っており、活動領域は広い。

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