#自社の競争力を高めるための「終わりなきDX」のススメ


 

避けては通れないDXの流れ

デジタルを活用した事業モデルへの転換

先日、株式会社資生堂が発表した第2四半期の決算説明資料が話題になりました。

ビューティー市場もCOVID-19の影響を大きく受けており、資生堂も2023年までに完全復活をするための戦略を掲げています。
その中でも、特に注目されたのが「デジタルを活用した事業モデルへの転換を加速、体制強化」する点です。具体的には、媒体費に対するデジタル比率を現在の50%から90~100%に引き上げる。Eコマース売上構成を全社レベルで25%に引き上げる。

また、それに伴いDX専門部署の立上げやデジタルマーケティングの専門人材を100名採用するなど。これらは、顧客との情報接点、販売接点をよりデジタルシフトしていくこと、それを実現するために社内改革に本気で取り組むことを示しています。

事業モデルの転換を見据えたDX化

当然、COVID-19によって経済的なダメージを被った業界は多く、ビジネスの在り方そのものや社員の働き方を考え直し、資生堂のような事業モデルの転換を見据えたDXの動きは今後ますます増えていくと予想されます。

一方で、一部の企業はCOVID-19以前からDXへの関心が高く、自社の競争力を高めるために積極的にDXに取り組んでいました。
近年、DXに関心が高まっている一つの大きな要因として、BtoC領域においてもBtoB領域においても、企業と顧客のあらゆる接点のオンラインファースト化が進んでいることが挙げられます。

 

企業と顧客のあらゆる接点のオンラインファースト化
つまり、企業や商品/サービスの認知から、興味を持ち理解を深め、実際に購入(採用)に至るまで、また継続的な利用や周囲への口コミ/共有といった一連の流れの中で、オンライン上のやり取りやデジタルを活用したブランド体験が急速に増えています。

そこへCOVID-19が追い打ちをかけ、さらにオンラインファースト化が加速したと言えます。

 

BtoB市場でも加速するDX

YRK&のDX推進

実は、弊社も数年前から自社のDXに取り組んでおり、デジタル領域の新事業開発やバックオフィス業務の効率化を進めています。
また前述したオンラインファースト化の流れに乗って、弊社自身のマーケティング活動とセールス活動のDXにも積極的に取り組んでおり、本コラムではその取り組み事例の一部をご紹介したいと思います。

YRK&について
弊社は、2018年に「株式会社ヤラカス舘」から現在の「株式会社YRK and」に社名変更を行いました。
同時に「リブランドコンサルティング事業」を本格的にスタートさせたこともあり、会社の大きな転換期に際し、それまでのマーケティング活動とセールス活動も大きく変えていくことにしました。

これまで以上に多くのお客様に弊社のことを知っていただき、距離や時間といった物理的な制約に縛られずにお取り組みいただける方法を模索し始めたのです。

BtoB市場におけるオンラインファースト化の話をすると、有名なところでは2012年に発表された調査データ(シリウス・ディシジョンズ調べ)ですが、情報収集から意思決定までの購買プロセスのうち、前半の67%は営業担当者が接触する前に終わっているというものがあります。

情報収集から意思決定までの購買プロセス

また、BtoB向けサービスの認知経路の5割以上がWeb検索をきっかけにしているとも言われています。BtoC市場と同じく、こうした傾向はますます顕著になると予想され、これからの時代に合った情報発信が必要だと考えていました。

DXへの取り組みと成果

DXへの取組みと成果

そうした中で、具体的に弊社が取り組んだ主な施策は以下の通りです。


■マーケティング強化施策

① オウンドメディア(自社サイト)のリニューアル
② SEOによる検索順位改善
③ コラム、ホワイトペーパー等のコンテンツマーケ強化
④ セミナー(ウェビナー)、相談会の実施増
⑤ Web広告やSNS運用での集客強化
⑥ マーケティングオートメーション(MA)ツールの活用
⑦ メールマガジンの継続配信


■セールス強化施策

① インサイドセールス部隊の立上げ
② セールススキームの見直し
③ SFAツールの活用
④ 名刺管理ツールの活用
⑤ セールスアクションの定量/定性分析
⑥ 商談分析によるマーケティング施策の改善


 

マーケティングとセールスの統合化
こうして挙げると施策の羅列に見えるかもしれませんが、DXを進める上で一番重要視していたのは、マーケティング施策とセールス施策の統合化です。

「見込み客の獲得・育成」を目的とするマーケティング部隊と「見込み客の顧客化(クロージング)」を目的とするセールス部隊が連携できずに苦心するケースが多くみられます。
しかし、お客様視点で考えてみれば、お客様が商品/サービスを検索・認知いただいてから、興味関心を持ち、比較検討を経て最終的に購入(採用)いただくまでの一連のプロセスを、いかにストレスなく行っていただけるかが我々の目指すべきことです。これを実現させるにはマーケティングとセールスの統合化が必須となります。では、どのようにすればマーケティングとセールスの統合化が進むのか?そのためには以下のような作業が必要になります。

マーケティングとセールスの統合化作業のポイント
これらの取り組みを徹底していくことは決して簡単なことではありませんが、マーケティング活動とセールス活動を統合し、良質な顧客体験を生み出すことで新しいデアイとキズナを作り続けるためには決して避けては通れません。

弊社では、DXを進めた結果として「自社サイトへのアクセス数(新規訪問者数):150%アップ」「資料ダウンロード数:9倍増」「セミナー参加人数:5倍増」「サービスお問合せ数:3倍増」「アポイント獲得率:6%アップ」など、数値が大きく改善しました。

また、定量的な成果だけでなく、これまでお取引のなかった業界/分野、エリアのお客様からのご相談が増えています。

 

DXにゴールはない

DXにゴールはない

しかし、DXを進める上で気づいたことは、市場やお客様は常に変化をしているという当たり前の事実です。
お客様の求める情報やタイミング、提供方法は目まぐるしく変化します。マーケティング施策においても数か月の正攻法が通用しないということも多々あります。瞬間的な最適解はあっても、永続的で絶対的な正解はありません。
そうした事実を受け入れ、高度なレベルでの統合化を目指しながらも、「変化に気づきやすい」「臨機応変に対応しやすい」仕組みにする必要があります。私たちが、自社のDX化に費やしたここ数年の試行錯誤が、私たちYRK&の強みです。今、新しいビジネスモデルへの再構築が求められるている中で、永続的で絶対的な正解がないDX領域での試行錯誤は、リスクにもなりかねません。そんな時は、YRK&の橋本にご相談ください。

note_logo
FindUsOn-FB_ja-JP-RGB


タグ一覧

株式会社 YRK and
CDO 兼 DXコンサルティング事業統括
橋本 航太
Writer

株式会社 YRK and
CDO 兼 DXコンサルティング事業統括
橋本 航太

2003年株式会社 YRK and 入社。
営業・マーケティングプランニング職を経て、多数の業種のマーケティング支援を担当。2012 年から、愛用者を起点としたマーケティングメソッド「TMOT(Third Moment of Truth)」をコンセプトとした新事業部門のカンパニー代表を務め、自社ASPサービス(C-SO/MiiNA)の開発、マーケティング、セールスの統括責任者として従事。
現在、YRK andのCDO(Chief Digital Officer)及び、DXコンサルティング事業責任者として、クライアント事業の活性化/再構築を目的としたDXプロジェクトに多数参画。