# オンライン展示会で繋ぐ「営業戦略」と「ブランド戦略」


BtoB企業を取り巻く2つの変化

ここ数年で営業職に求められるスキルが大きく変化しています。また、企業の市場価値も変化しており、提供される製品・サービスの質だけでなく、その企業のビジョンやパーパスが問われるようになってきました。

コラム01_企業市場価値の変化

今回のコラムでは、BtoB企業がこれら2つの大きな変化に立ち向かうための、一つのアプローチをご紹介いたします。BtoCのビジネスにももちろん通ずるものでもあります。

高まる「インサイド営業」の重要性

コロナショックで今、企業の営業活動は急激な変化を遂げています。従来当たり前だった対面式コミュニケーションでの商談が減り、クライアントの購買行動や問題解決の場所は、対面式からオンライン上へと変わっています。

コラム02_対面からオンラインへ

それは、フィジカル的な接触頻度の低下というだけでなく、顧客自身がインターネットで情報収集し、自社の課題解決方法を把握した上でパートナー企業と商談するという、情報の流入構造自体の変化の現れでもあります。

これにより、従来の営業スタイルでは当たり前だった「課題解決型営業」が通用しなくなり、顧客すら気づいていない新たな課題を見つけ出し、合意形成をとりながら顧客を指導できる、いわゆる「ファシリテーションスキル」が今のフィールド営業には求められています。

かく言う私自身、昨年まで過去15年以上アカウント営業として顧客へ課題解決型のフィールド営業をしてきました。既存顧客の課題解決だけでなく、新規顧客開発も数多く行う中で見えてきたのが、いまのフィールド営業に必要なスキルは「今見えている課題の解決能力よりも、顧客の本質的な問題を発見する能力」だということ。

しかしこのコロナショックです。顧客と直接対話し、ディスカッションを繰り返すことで問題を発見する営業モデルがますますやりにくい環境になっている事を肌で感じておりました。

ここで重要になってくるのが「インサイド営業」の組織的なポジションです。

コラム03_問題解決型営業からインサイド営業へ

インサイド営業(インサイドセールス)と聞くと、商談アポイントを取るための量的アプローチの部隊と捉えられがちですが、そうではありません。

それの本質的な役割は、電話上で顧客との対話を繰り返し、顧客の深層ニーズを探り自社のデータベースに蓄積することです。このデータを元に、フィールド営業にアポをつなげるべきか、セミナーの案内でナーチャリングを続けるべきか等アプローチを検討し、ニーズが顕在化した状態でフィールド営業へバトンをつなぎます。

これを対面式ではなく、オンライン上で行えることがコロナ禍においても、企業が営業力を高めることができる大きなポイントになります。

「攻めのDX」で営業力を高める

従来の営業スタイルが通用しない今、多くの企業は営業担当者の経験や勘に頼る属人的な営業スタイルをやめ、顧客にデジタル上で新たな「気づき」を提供し、リード育成できるよう、セールステック(SFAやMA等)を統合的に活用し、営業プロセスとマーケティング施策をシームレスに運用できる体制を構築されている最中であると思います。

これにより、先に述べた「インサイド営業」が組織的に活躍できる状態をセールステックでバックアップする訳です。

弊社でもコロナ前より、営業DX化に向け体制を構築し、セールステックの導入・デジタルマーケティングの実施などで、デジタル上で顧客へ「新たな気づき」をご提供し、営業力を高めている最中であります。

コラム04_オンラインで気づきの提供

しかし、当初弊社の営業DX化は、デジタルシフトに大きく舵を切るがあまり、一時期フィールド営業の量と質が低下してしまい、結果として顧客の抱える問題の本質にたどり着くことに、いつもより時間がかるという弊害を生んでしまいました。

この反省を活かし、今では顧客の本質的な問題を発見する能力をフィールド営業で発揮できるよう、いかにデジタルマーケティングでサポートできるか、という視点で活動しております。すなわち、インサイド営業と、フィールド営業のバランスも一つのキーワードになる訳です。

コラム05_インサイド営業とフィールド営業のバランス

展示会のオンライン化でインバウンド型セールスモデルへ

対面式からオンラインへシフトする営業活動の中で、「展示会」という新製品発表や顧客との商談機会の場も、その例外ではありません。

展示会の一部をオンライン化することで、来場者リードの獲得が容易になるだけでなく、会場内の顧客行動(ログデータ)の詳細を把握することができ、これまで見つけることのできなかった市場や顧客ニーズの変化の予兆を掴むことが可能となります。

コラム06_展示会のオンライン化

また、会期後は会場内の行動履歴を見ながら顧客ニーズに合わせたインサイド営業を実施することで営業力を強化し、インバウンド型のセールスモデルを実施することができます。

コロナ禍において3密を避けることを理由に、展示会のオンライン化、またはハイブリッド開催が主流になりつつあり、セールステックとしても有益なオンライン展示会は、多くの企業においても開催を模索しておられるでしょう。

「ブランド戦略の起点」として展示会を捉え直す

これら展示会の目的・在り方が変わる大きな転換期において、展示会を「ブランド戦略の起点」と捉え直すと、ユーザーとのコミュニケーションは飛躍的に向上すると、ブランドコンサルティングファームのYRK&は考えています。

コラム07_展示会のあるべき姿

そもそも、愛されるブランド・強いブランドには全てにおいて、ストーリーに一貫性があります。そして今の時代、企業としてのストーリーやビジョンをユーザーへ伝え、共感で選ばれることはBtoC、BtoBに問わず当てはまることであり、市場競争力を高める最善の策です。

戦略・商品開発・営業・店舗設計・広告宣伝といった各コミュニケーション策がユーザー視点で、共通の判断軸のもと、意味に一貫性を持たせることが “強いブランド”とされる要因です。展示会は、こうした各思考が集合し、ストーリーの一貫性を整える場とも言えます。

“コラム08_一貫性が重要

オンライン展示会で繋ぐ「営業戦略」と「ブランド戦略」

リアル展示会からオンライン展示会へシフトすることで、企業が展示会を実施するハードルはコスト面を含め大きく下がるだけでなく、インサイド営業をサポートするセールステックとしても高い効果を発揮するようになりました。

しかし注意しなければならないのは、対面式コミュニケーションをやめてオンラインへ完全シフトさせるという、0か100かで捉えてはいけないということ。

営業戦略を見直す上で重要なのは、フィールドセールスの質を高めるために、ベースとしてデジタルコミュニケーションを取り入れて、インサイド営業とフィールド営業とのバランスで、組織的な強さを生み出すことです。

そしてこの変化を機に、展示会の在り方から抜本的に見直し、ブランド戦略の起点としても捉え直すことが組織を大きく変革させるターニングポイントになってくると思います。

弊社が開発するオンライン展示会プラットフォーム「デジ展®」では、2020年7月にローンチ以降、様々な企業様にご利用いただいております。

そしてオンライン展示会プラットフォームのご提供という枠に留まらず、前述した「営業戦略」や「ブランド戦略」の起点と捉えたコンサルテーションを実践してまいりますので、ご興味を持たれましたら越野(こしの)までお気軽にご相談ください。

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株式会社 YRK and
インバウンドマーケティングチーム
越野 浩平
Writer

株式会社 YRK and
インバウンドマーケティングチーム
越野 浩平

2005年 株式会社YRK and入社。事業部、企画営業職として様々な企業のプロモーション、コンテンツマーケティング等に携わり、デジタルマーケティングを得意とする。現在は自社のインバウンドマーケティングの全体統括やインサイドセールスへのリード振り分けの交通整理を行うかたわら、
企業への営業戦略のDX化に関わる企画提案、コンサルテーションを行う。

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