ブランディングにも精通する3つの要素ロゴスエトスパトスとは?トップbanner(リブランドならYRK&)(BtoBブランディング)


突然ですが、皆さんは古代ギリシャの哲学者アリストテレスをご存知でしょうか?「万学の祖」と呼ばれ、現代の学問・思想の基礎を築いた人物です。哲学者プラトンの弟子で、プラトン、ソクラテスと共に西洋最大の哲学者とまでよばれる偉人。彼が残した名言は、2,300年以上もたった今も尚、有益なアドバイスとなり現代に生きています。「我々の性格は、我々の行動の結果なり」「愛というものは、愛されることよりも、むしろ愛することに在する」など、どこかで必ず耳にしたことのあるフレーズが幾つも存在します。

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その中の一つに、現代のブランディングにも精通しているものがあります。人を説得し動かすためには3つの要素が重要だとアリストテレスが述べているものです。それは、「論理(ロゴス)」「信頼(エトス)」「情熱(パトス)」 の3つの要素。アリストテレスは、この3つが揃えば、人は本当の意味で説得され、心を動かされると説いています。今日のコラムは、遠い歴史からの一文から紐解いた、普遍的な哲学をブランディングという視点で考察したものです。少しのお時間お付き合いください。

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Index

  1. ブランディングにおけるロゴスとは?
  2. ブランディングにおけるエトスとは?
  3. ブランディングにおけるパトスとは?
  4. 無意識の領域
  5. ワークショップで議論を深める重要性

ブランディングにおけるロゴスとは?

まず、「ロゴス」とは、理論や論理展開で納得してもらえるかということです。例えば、「〇〇すべきである。なぜなら…」の後に、納得感のあるロジカルな話ができるかどうか?ということ。論理的解説をしたときに辻褄の合わないストーリーでは、人は納得感がないというもの。これは、分かりやすい概念で、ブランディングとの相関性も分かります。一言で言えば「理論」。

ブランディングにおけるエトスとは?

一方、「エトス」とは、「この人の言うことなら信頼できるだろう」と、本能的に思ってもらえるかどうか、というもの。そもそも人は一度信頼できないかも?と感じてしまうと、その人の話には聞く耳を持ちません。 どんなにロゴスが明確でも、「信頼(エトス)」がなければ、何を言っても相手には届かないということです。それは大抵の場合、初対面で決まってしまうものなのかもしれません。「信頼(エトス)」は、瞬間的な見た目や表情、その時の姿勢や仕草などの感覚的なイメージで、一瞬にして判断されてしまうものです。ブランドのあり方にも共通点が思い当たります。一言で言えば「信頼」を意味します。

ブランディングにおけるパトスとは?

そして最後は「パトス」。これは、共感したりそのメッセージに感情移入してもらえるかということ。分かりやすく言えば、その話し手に情熱や熱意などの想いがなければ、聞き手の心には届かないということ。逆に言えば、「話の内容はよくわからなかったけど、あなたの熱意に打たれました」なんてこともよくある話。一言でいえば、「情熱」と言い換えられるものです。

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無意識の領域

ここでブランディングの視点で見えてくることは、「理論ロゴス」だけではない、「信頼エトスや、情熱パトス」という定量的には測りにくいものが、人の心を動かすことの大部分を占めているということです。

私たちは日常、頭で物事をしっかりと考えて判断しているつもりでいます。しかしマーケティングを間違った方法でリサーチしてしまうと、人はしっかりと考え、常に理論的に判断をしながら商品やサービスを購入しているように思っていても、顕在化している意識だけを情報として、戦略や戦術を選択してしまっていたりします。

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私たちは普段ものを購入するとき、全ての商品に対して、明確な思考をもって確実に合理的判断を下せているのでしょうか?購入したもの全てに理屈の通る理論があり、確実に納得してものを購入しているのでしょうか?実際は本能と感情が先に反応していて、後付けで理屈をつけるという順番で物事を判断していることが、ほとんどではないか、と思えてきます。

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これらを見抜くために、私たちがブランディングをしていくときには、「顕在意識」と「潜在意識」とに分けることが多いですが、実はもう一つ、「無意識」と呼ばれる領域が存在することに着目します。いわば、本能に近い部分です。これらは、残念ながら、調査ではなかなか表には出てこない、人間の本当の本能的なニーズ、つまり根源的な欲望の部分です。

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ブランディングは、広義のマーケティングには内包されますが、我々がよく使う狭義のマーケティング戦略では、ブランディング戦略と分けて考える必要があります。

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狭義のマーケティングでは見落とされがちですが、ブランディングとは、この「無意識」や「本能的なニーズ」についてしっかり話し合い、深掘りし、日々トライアル&エラーを繰り返しながら定めていく必要があります。

ワークショップで議論を深める重要性

我々がオススメしているワークショップや、グループワークとは、この「本能的なニーズ」について徹底的に話し合うために存在しているものでもあります。なぜわざわざこれを見つけるために、人を集めファシリテーションまでしながら議論をする必要があるのか?それは、人の持つ本能的なニーズとは、そう簡単に見つけられるものではないからです。また、この議論はチームをまとめ上げ、プロジェクトの熱量を作り上げることにも大きく作用するからです。つまり、結果的にブランドの「情熱パトス」を作り出すことにもつながるのです。

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私たちのリブランディングのプロジェクトでは、ロゴス、エトス、パトスのような、統合的な観点でのコミュニケーション戦略を追求していきます。まだ体験したことのない方は、是非私たちのコンサルティングメソッドを体感してみてください。まだ深掘りできていない、人間の「本能的なニーズ」にたどり着けば、その商品は、新しい価値を持ち、再出発することができるかもしれません。


株式会社YRK and
執行役員/C.B.O 兼 
事業コンサルティング本部統括
戸田 成人
Writer

株式会社YRK and
執行役員/C.B.O 兼
事業コンサルティング本部統括
戸田 成人

2008年株式会社 YRK and入社。広告会社にて大手飲料・食品、通信会社、アパレル、家電など、さまざまなメーカー業種のコミュニケーション戦略、クリエイティブを担当。現在は、YRK&事業コンサルティング本部統括 執行役員 兼CBO。ブランディングに特化したストラテジストとして従事。インナーブランディングまでを行うCX支援(コーポレートトランスフォーメーション)や、新規事業創出などのイノベーション支援、またそれに伴うアクティベーション(DX導入やBPO活用)の支援まで、一貫してクライアントと伴走し、持続可能な事業再生を提供する。