#ニューノーマルがノーマルとなるときに、ゲームはチェンジする


 

『ニューノーマルがノーマルとなるときに』というのは、『コロナ以前の日常が戻って来る』ということではなくて、ニューノーマルと言われる、『新たな状態』が『日常』になったときに、人は、消費は、社会は、どのように変化するのだろうか?という問いです。

NEW-NORMAL

『頑張れサイエンス!頼むぞテクノロジー!!』と祈っています・・・。だけれども、ワクチンが開発されたとしても、秀逸なアプリが開発されたとしても、一部の人の心は、それまでとまったく同じには戻らないと思います。

そんな、元に戻らない人は、ごく一部かもしれない。ワクチンが開発されて、秀逸な管理手法が出来上がれば、後は『元の生活、消費行動に戻りました』という人も多くいるのかもしれません。でも、今回は同じぐらいの多くの人が、大げさに言うと『生き方の軸』のようなものが、元あった位置から動いたのではないでしょうか。

 

 

生き方の軸

生き方の軸

二十代半ばのころ、バブルがはじけました。四十代前半で、リーマンショック。両方ともとても大きな出来事でしたが、実はよく覚えていません。それはたぶん、問題の軸が起点経済であったことに起因しているように思います。経済は確かに重要だけど、人間としての根源的な部分=直接的な生き死に、にまで及ぶことはなかったからだと思います。
一方で、阪神大震災や、東日本大震災のことはよく覚えています。たぶん、『生き方の軸』がゆすぶられたからだと思います。
今回のコロナの件も、経済的な側面ももちろん大きいですが、どちらかというと、人間としての根源的な部分に関するところへのアタックの方が大きいのではないかと思います。

 

 

プリミティブな欲求

プリミティブな欲求

『生き方の軸』が移動したとき、死生観、価値観、社会とのかかわり方、消費の仕方などなど、様々なものが変わるものだと思います。
すでに世間に表出している言葉では、根源的欲求の顕在化。プリミティブな欲求回帰。生存欲求消費。自分の見つめ直し。価値観の転換。人生で大切なものとは?という自問。企業や他人に踊らされることなく本当に必要なコトを見極める視点。高価なものでも、必要でないものはいらない。などなど。

 

 

サハラ砂漠横断のための車は何を選ぶ?

 

20代のころ、あるコラムを読みました。『サハラ砂漠を横断しなければいけない。好きな車を選べるとしたら何を選ぶか?』というものでした。面白いので真剣に考えたことがあります。

サハラ砂漠横断のための車は何を選ぶ?

自分の好みは、小さくて、軽くて、チープでシックな車。けれど、サハラ砂漠を横断するとなると、それは選びません。(その時は、街中で闊達に活動したいから、それが好きなのだと最近分かりました。)それで、出した答えは、ある高級メーカーの大きな四輪駆動車。デザインがイケていなくて、偉そうで、空気を運んでいるみたいで、好きじゃない部類の車でした。でもサハラ砂漠を横断するならば、それだなと思いました。街中では装飾過剰に思える装備も、信頼感、安心感、骨太感、開発した経緯と、どんなところで使われているのか。そのメーカーの哲学。そんなものが、これしかないなと思わせたのでした。
つまり、サハラ砂漠を横断するという、生死にかかわるような体験を前提として考えると、人の選択(消費)は、変わってしまうということだと思います。
そう考えた後で、街中でその車を見ても、以前ほど嫌いではなく、むしろ好感が持てました。

 

 

リ・ブランディング

リ・ブランディング

リ・ブランディングという領域で、仕事ができるのではないか?と考えた時のことを思いだします。
長い歴史を持っていて、確かなものつくりをしているのに、いい商品なのに、売れない。そんな企業や商品がたくさんある。どうしてだろうか?と思いました。
調べていくと、長い歴史が内向きの体質となり、確かな開発力、ものつくりが、消費者視点を失わせていました。もったいないな、と思いました。

そして10年。
人の『生き方の軸』が変わろうとしている現在において、もう一度、ブランドの磨きなおしにいい機会が来たと。そんなことを考えています。

(YRK& ブランド戦略コンサルティング https://www.yrk.co.jp/business/re-brand-consulting/

 

ゲームはチェンジする

『ゲームチェンジャー』という言葉があります。それまでの市場のルールを覆す存在のことを指し示す言葉です。どちらかというと、新興企業が、古い体質の企業が牛耳っていた市場を覆すときに使われることが多いように思います。
一方で、人の『生き方の軸』が変わるとき、歴史があって、ものつくりもしっかりしているのに低迷していた企業が、新たなマーケットを作りだしたり、大企業が牛耳っていた市場を覆したりできる可能性が出てきていると思っています。
本質的価値のあるモノ。根源的価値のあるモノ。意味のあるモノ。志があるモノ。共感性があるモノ。多少ダサくても、インスタ映えしなくても、いいのではないか。

ゲームはチェンジする
スタイリッシュで、装飾的で、演出的であっても、本当の価値のないものには、人は動かされなくなるのではないでしょうか。
そう考えると、ゲームチェンジしようと思って活動するのではなくて、自分たちの持っているいいことを磨きなおしていたら、本質を改めて追求していたら、いつの間にかゲームがチェンジしていた、となるのではないでしょうか。

 

 

最後に

ニューノーマルが、ノーマルになった世界が、皆様にとって、安らかで、温かく、健やかな世界でありますように。

最後に。

 

 

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株式会社 YRK and
ブランドクリエイティブユニット
エグゼクティブプロデューサー
山口 博之
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株式会社 YRK and
ブランドクリエイティブユニット
エグゼクティブプロデューサー
山口 博之

1988年3月 株式会社 YRK and入社。事業部門にて繊維メーカー、大手流通など、多岐にわたるクライアントを担当。2009年東京事業部にて事業本部長に就任。2016年 「コンパクト・コミュニケーション®」を立ち上げ、コミュニケーションデザイン領域での事業を推進。翌年に「リブランドコンサルティング」メソッドを開発し、コンサルティング事業を開始。現在ブランドクリエイティブユニット(BCU)エグゼクティブプロデューサーとして活動。

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