New Business Branding
老舗洋菓子メーカーがイノベーションを起こす
新規事業ブランディング事例
株式会社エーデルワイス 様
CLIENT:株式会社エーデルワイス 様
業種:洋菓子製造・販売(総合パティスリー)
案件:プロジェクトデザイン / コンセプト策定 / ネーミング / ロゴ・ショップデザインを含むトータルブランディング / 商品ブランディング / インナーブランディング
日本人のパティシエが “日本人による日本人のための「新しい日本生まれの洋菓子」をつくる” という原点に立ち戻り、ブランドの存在意義(Why)から再設計する必要がありました。
日本人らしい美意識と四季の情緒を活かし、上質さと親しみやすさを兼ね備えた体験を提供していくためのブランド再定義と一貫性の実装が求められていました。
ブランド変革の第一歩は、「このブランドは誰の、どんなシーンに寄り添うのか?」という存在価値の再確認でした。
日本人による日本人のための「新しい日本生まれの洋菓子」という考え方をもとに、日本らしさとして「四季」に注目をし、“四季の移ろいごとに、新しい。”という思想を言語化し、ブランドコンセプトとして再定義をしました。

ブランド名「HIBIKA(ひびか)」には、「365日を通じて愉しめる、にっぽんの四季のお菓子」と「心に響かせる」という願いを込め、共感を育むストーリーへと昇華しました。
一般的な洋菓子店では、8割が定番商品、2割を季節に合わせたシーズン商品に入れ替えるのが通常ですが、「HIBIKA」はブランド名やブランドコンセプトの軸を大切にし、四季に合わせて全商品が入れ替わり、季節ごとに新しい表情の洋菓子と出会え、味わうことができるブランドとして生み出されました。
コンセプトである「四季の移ろいごとに、新しい。にっぽんの洋菓子。」を中核に据えた統一のブランドトーン&マナーを設計し、商品・空間・ビジュアル・色・言葉遣いまでを一気通貫でクリエイティブディレクションを行いました。


短期的な“売るための施策”ではなく、四季のリズムで“使い手起点にブランドを育てる”長期的な設計へと転換し、体験価値の継続・蓄積(LTV)を志向しました。
中長期の世界観展開を見据え、春・夏・秋・冬に加え、クリスマスやバレンタインなどの季節行事も含めたテーマ設計を策定。

定期的なワークショップでチームの共通言語を更新し、表現指針・商品方針・売場体験を可視化。実行と検証を反復するアジャイル運用で、四季ごとの“らしさ”を育て続ける体制を築きました。
また、顧客の声を商品開発や情報発信に反映するループを構築し、“つくり手主体”から“使い手起点”へと発想を転換。社内に共創マインドが芽吹き、ブランド運用の自走化が進みました。
ショップデザイン
上質でありながら親しみやすい“にっぽんの佇まい”を空間と導線で表現
商品・パッケージ
素材・製法・サイズ・持ち運びまで“細部の配慮”を徹底
シーズンイメージ
四季のテーマを核に、贈答・自家需要の双方で選ばれる物語設計
ターゲット設計
上質志向のモダンミセスと発信感度の高い若年層を中心に、“自然拡散”導線を設計
ターゲット再定義
贈答重視の上質志向層+発信力の高い若年層へ
ブランド価値の再定義と戦略策定
“奇をてらわず、基本の質を極め、四季で表情を変える”という思想を中核化
中長期の世界観ロードマップ策定
四季・年中行事を通じた継続的な物語展開を設計
一貫したコミュニケーション施策の実行
VI・空間・商品・言語・ビジュアルを統合運用し、体験の断絶を解消
・“にっぽんの洋菓子”という独自価値の確立により、ブランド理解と共感が深化
・“使い手起点”のマインドが社内に浸透し、企画・開発・発信の一体感が向上
・SNSや口コミで自然な拡散が進み、若年層の支持が拡大
・TV番組等で紹介され、メディア露出を獲得
このブランドグロースプロジェクトは、単なるプロモーション刷新ではなく、「HIBIKAは誰のどんな時間に寄り添うブランドか」という根源的な問いから出発しました。
四季の移ろいを愉しむ日本人の感性を核に、上質さと親しみやすさを両立した体験価値を積み重ねることで、HIBIKAは“生き方に寄り添う洋菓子ブランド”へと進化しつつあります。
これからも、季節ごとの物語を通じて、国内外の顧客に長く愛されるブランドを目指して挑戦を続けていきます。
【YRK& STAFF】
・CONSULTANT/PRODUCER:井上 博貴
・CREATIVE DIRECTOR:戸田 成人 / 二宮 康朗