
弊社取締役 戸田成人が、MBS(毎日放送)と博報堂が共同で運営する関西発スタートアップ応援プロジェクト「REACH REACH」の会員向け勉強会「REACH REACH ACADEMY」にゲスト講師として登壇いたしました。
本勉強会は、関西を中心に事業を展開するスタートアップ経営者を対象に、ブランディング・マーケティング・PRの実践的なノウハウを学んでいただくことを目的としています。今回は「Corporate Rebranding Course」と題し、YRK& Business Schoolのプログラムを特別公開する形で実施しました。

MVVとは何か?:企業の「存在価値」と「らしさ」を言語化する
当日はまず、ブランド戦略の根幹をなすMVV(Mission・Vision・Value)の定義と役割について解説しました。国内外の有名企業のMVVを実例として取り上げ、グローバルに展開するアパレル大手や化粧品メーカー、プラットフォーム企業、大手建設グループなど業種を超えた事例を紹介。「強いブランドは必ず、シンプルかつ力強い言葉で自社の存在価値を定義している」という共通点などを解説しました。一方で、MVVを策定していても「聞いたことはあるが、意味を言えない」という状態に陥っている企業も少なくなく、言語化の質と社内への定着度には大きな開きがあることも示されました。
売上目標や施策立案を先行させる前に、自社が「何者であるか」を定義することがブランド戦略の出発点です。その土台が固まっていなければ、どれほど精緻な計画も組織には浸透しないという考え方が、具体的な企業の姿を通じて紐解かれました。

事業戦略・組織戦略・経営戦略の相関関係
続いて、三つの戦略がどのように連動するかについて、図解を交えながら解説が行われました。「事業戦略(何を・どこで・誰に)」「組織戦略(誰が・どう動くか)」「経営戦略(どこへ向かうか)」はそれぞれ独立したものではなく、中心にある Mission・Vision・Value を起点として初めて機能するという構造が示されました。
「戦略が現場に落ちない」という多くの企業に共通する課題の根本がここにあることを、具体的な企業事例を交えながら紐解いていきました。

評価制度の在り方:MVVを「飾り物」にしないために
MVVを策定するだけでなく、それを日常の業務判断・行動規範・そして評価制度にまで一貫して組み込むことの重要性についても解説が行われました。調査データによれば、MVVを社内で策定・共有している企業は64.1%にのぼる一方、それが現場の行動に落ちていると感じる企業は37.6%にとどまるという現状が示されました。理念を組織に根付かせるためには、採用基準や評価設計といった人事の仕組みから再構築していく必要があることが、実務的な視点から語られました。
YRK&独自のフレームワーク「Brand Growth Tree®」
講義の中で紹介したのは、YRK&が独自に開発したフレームワーク「Brand Growth Tree®」です。ブランドを一本の大樹に見立て、Mission・Visionを中心に据えながら、組織文化・評価軸を幹として、顧客接点やクリエイティブを枝葉として構造化するものです。企業内部のリソース・強みを示す「Input」と、市場・顧客への発信である「Output」の両輪がどう連動するかを可視化し、ブランド経営の全体像を俯瞰するためのツールとして活用されています。

MVVの社内浸透:重要性と難しさ
「MVVを作ることよりも、浸透させることのほうがはるかに難しい」という前提のもと、浸透施策の具体的なアプローチについて解説が行われました。経営層が言葉で語り続けることに加え、採用・評価・日常のコミュニケーション設計までを一貫して見直すことが不可欠であることが、各社の取り組み事例とともに示されました。
具体事例:京都武田病院グループ(Seven Dreams Group)のリブランディング
後半では、YRK&が実際にリブランディングを支援した京都武田病院グループの事例を紹介。
病院・介護・ヘルスケア・新事業という複数の事業を展開する同グループでは、「グループとしての一貫したブランドが存在しない」という課題に対し、グループ全体の中期的なゴールを言語化しました。Why(存在価値)・グループとしての考え方の軸(事業再定義)・What(何者か)の三つの問いを起点に、新グループ名「Seven Dreams Group」の命名、シンボルマークのデザイン、Vision Statement、ブランディングツール、などあらゆるコミュニケーションツールを開発。
さらに、MVVに沿った行動を人事評価の指標に組み込むため、評価制度も刷新。それらによる、具体的な成果事例を解説いたしました。

京都武田病院グループ(Seven Dreams Group)の事例詳細はこちら
https://www.yrk.co.jp/case/seven_dreams_group/
講義後のワーク:「今すぐ始めるべきこと」を可視化・言語化する
講義の後半には、参加者自身が手を動かすワークが実施されました。「Brand Growth Tree®」のフレームを活用しながら自社のブランド課題を棚卸しし、現状のInputとOutputを整理することで、「今すぐ取り組むべきアクション」を具体化していただく内容です。当日は活発な議論と意見交換が行われ、理論と実践がひとつながりになった有意義な時間となりました。
YRK andは、創業130年の事業成長伴走会社(ReBUSINESS PARTNER)として、これからも業種・業態・規模を問わず、企業のブランド価値向上と持続的な成長に向けた支援を展開してまいります。
本件に関するお問い合わせ:https://www.yrk.co.jp/contact/
講師プロフィール: 戸田 成人(Naruhito Toda)

株式会社 YRK and 取締役
Branding Strategist
Branding Leaders Camp 講師
TALENT BRIDGE 代表
2008年株式会社 YRK and(旧株式会社ヤラカス舘)入社。前職では、広告会社にて飲料、食品、通信、家電、アパレル、施設など、様々なメーカー業や小売業のマーケティング戦略、クリエイティブを担当。現在は、YRK&にて「事業コンサルティングサービス」の立ち上げ、「リブランディング支援」に特化したストラテジー、クリエイティブを担当。組織コンサルティングの側面からもブランドの価値を育て、企業におけるブランド戦略を外と内の両面から支援。また新規事業創出などのイノベーション創出支援や社員教育、商品やサービスのリブランディングも行い、現場のオペレーション支援(BPR/BPO)までを一貫して行えることを強みとしています。2022年からはビジネススクールも運営、リブランディングのプロ人材を育成するプログラムや、人材紹介事業(TALENT BRIDGE)を提供し、各種メディアやイベントなどへの登壇、講師なども行っています。