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【イベントレポート】Brand Growth Meeting トークセッション 『一流ブランドから学ぶ、「新規事業」を成功させるためのブランドコミュニケーションとは?』

, 2023/03/24
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「共感・共鳴の経営」をテーマとし、ブランディング経営を学ぶリアルビジネスイベント『Brand Growth Meeting』、2023年3月14日(火)に行われたチャプター②は、サントリー/ハーゲンダッツ/スリーエムジャパンといった有名一流ブランドを手掛けられた、株式会社アターブル 代表取締役 眞壁希⽣⽒と、社内ベンチャーで新規事業開発(D2Cブランド立上げ)に成功し事業成長中の株式会社SoooooS カンパニー 代表取締役 木村有香氏によるトークセッションで、「新規事業を成功させるブランドづくりの秘訣」をディスカッションいただきました。

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■新規事業を成長させるための秘訣とは?

まず始めのディスカッションは「新規事業の成長期の壁」と題して、異なる立場のお二人から、事業成長に必要なヒントを解説いただきました。

木村氏は、「D2Cブランドを事業拡大させるためには、フルフィルメント業務における量的作業領域は、一時的に原価率が上がったとしても、BPO(外部委託)させるべきだ」と語っておられます。「自社リソースが本来やるべきことは在庫管理や物流管理ではなく、自社ブランドが提供できる社会的価値は何なのか?を明確にした上で、消費者に商品が届き、ご利用いただくまでの全体のコミュニケーションプロセスをデザインすることにある。」と、実務内容を通して仰っしゃられました。

また、眞壁氏はスリーエムジャパン在籍中の、「ポスト・イット 強粘着」における事業成長についてお話しいただきました。
他社と比べ割高な高品質商材を市場に浸透させるため、ポストイットを利用するロケーション(オフィス環境)の未来予測を行い、そこにフィットするアイテム企画・開発を行ったそうです。イノベーションが生まれやすく、クリエイティブ思考を養うためのオフィス環境は、今までのそれとは一線を越えるレイアウトや配色、素材を多様します。その環境にフィットするため、ポストイットの様々な形状を増やし、「創造力を膨らませる必須アイテム」というポジションを作り、低価格帯PBや100均アイテム群とは違う明確なポジショニングを形成させることに成功したそうです。

■高くても、勝てるブランドづくり

2つ目のディスカッションでは、ハーゲンダッツジャパンに在籍中にブランド・マネジメントされていた眞壁氏の高価格帯ブランドの戦い方を解説いただきました。

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高くても売れるブランドには、「手の届く価格設定」と「高い価格の明確な理由」が必ず存在している、と仰られます。ハーゲンダッツは、スーパープレミアムアイスクリームカテゴリーのボジションを創り上げたパイオニアであり、今の時代もこのポジションを牽引しています。100円で販売しているアイスクリームを250円という強気な価格で販売し、「手の届く身の丈の贅沢」をまさに具現化されている背景には、様々な戦略が存在していたようです。例えば、商品の高品質を維持するためには、遮光仕様のパッケージで光に弱い乳製品の品質担保や、流通のバックヤード冷ケースの温度管理を定期チェックといった様々な体制を敷かれており、この事実をターゲットに伝える(プロモーションする)事で、高い理由を理解いただいているそうです。また、ブランドのイメージ醸成のためターゲットを明確にして大人ラグジュアリーなイメージ戦略を一貫して展開しておられました。
これら、価格が高くても勝てるブランドには、広告販促や商品企画といった単一部署でのマネジメントではなく、部署横断型でのマネジメントが必要である、と眞壁氏は語ります。

■強いブランドチームの法則

最後、3つ目のテーマでは「強いブランドが形成されるチームの在り方」をお二人の実体験を元に語っていただきました。

新規事業(D2Cブランド立上げ)における事業グロース、そして強いブランドを形成するには、社内スタッフだけでなく外部専門家、卸、流通といった外部の関与者ともワンチームになり、ブランドのビジョン・ミッションの共感・共鳴が必要だと感じています。
そうすることで、高価格帯商品であったとしても、品質の違いや価格が高い理由をチーム内で理解し浸透されて、様々な障壁を乗り越える知恵が生まれ、商品を世の中に流通させることができると、木村氏は教えてくれました。

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また、眞壁氏は、過去ご自身が在籍されていたサントリーの「やってみなはれ精神」や、スリーエムジャパンの「失敗を恐れるな」という企業文化で育ってきた経験から、最初から100点を狙うのではなく、70点で市場導入するチームスタンスが重要だと考察。残り30点は顧客の反応も見ながら、顧客と共創していくというスタイルが大事であり、これこそが強いブランドをつくる秘訣である、と仰っしゃられます。
さらには、様々な立場や異なる視点を持つ人をチームに入れることが大事。男女混成チームにしたり、異なる部門のメンバーを入れて、みんなが自分の言葉で想いを話せる場を作ることが大切。そうすることで、各自に責任感が生まれて推進力につながるのだと、解説いただきました。

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新規事業立上げや事業成長には、ブランドに関わる各部門を横断する形で、ブランド戦略に一貫性をもたせ、社内・社外とコミュニケーションを整えることが重要であると、学びが非常に多いトークセッションとなりました。