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役員紹介

TOP TALK

KIMURA MASAHIRO

ING事業部長
兼 BCU/A&D統括責任者

木村 昌紘

人口が減少し、予測できない変化の時代だからこそ、顧客からファン発想へ。

コロナのような未曾有の事態を経て、VUCAという言葉が当たり前のように使われるようになった今、様々な企業で変化を前提とした組織への変革や、ビジネスモデルの再構築が行われています。

以前まで、そうした取り組みは、経営層による議論によって立案し、トップダウンで実行・推進することが多かったのですが、最近では現場の最前線で活躍する一般の社員を交えて、進むべき道筋から議論を行う企業も少なくありません。

これまでのように、モノやサービスを開発し、顧客に販売するという一見当たり前の行為そのものが維持できなくなってきています。これは、販売の対象である生活者、そして提供する側である労働者の変化、つまり日本の人口減少・超高齢化社会の加速とともに顕在化してきた構造的課題です。

この課題により、これまでのような連続的成長をベースとした思考ではないアプローチで、企業の未来を考える必要性が高まってきたからこその変化なのではないでしょうか。

そうした時代の中で、企業経営の中心に、ブランディングの考え方がますます必要になってくると考えます。その理由は明確で、企業がモノやサービスをつくって、より多くの人へ販売するという量的な発想だと、ターゲット人口が減少する中での顧客の奪いあいは、より厳しい競争にさらされるだけとなってしまうからです。

そしてそれを避けるためには、自分たちの哲学や姿勢、そして活動や構成する人々(社員やアルバイトスタッフ)に対する共感や魅力によって、ファンを惹きつけるという発想への転換が必要であるからです。

木村 昌絋

追うべきは、売上ではなくブランド価値。“厚利少売”で本当の意味でのLTVの向上を。

どうしても多くの企業が短期的な売上を求めて、マーケティング手法の1つとしてブランディングを用いようとしてしまいます。これは決して間違いではありませんが、激化する競争の中で戦い、競合から顧客を奪い取り、競争に勝利しようとするための手段にすぎません。私は、これからはこうした手段としてのブランディングではなく、共感や魅力によってファンをつくるためにブランド価値の向上を中心に考えた経営こそが、持続可能なビジネスとして重要ではないかと考えます。

フランスのある有名シャンパンメーカーでは、天候不良などによって原材料であるブドウの品質が良くない年は、たとえその年の売上が激減してもブランド価値を下げるようなシャンパンは市場に出さないという方針を貫くことで、人々から支持され続けるブランドとして高い付加価値を維持しつづけています。

ここに、かつてものづくりが一流と呼ばれた国であり、また人口減少が進むこれからの日本におけるブランド戦略のヒントがあるように思います。

マーケティングを駆使し、スケールメリットを活かして、いかにして多くの顧客を増やすかの薄利多売思考から、ブランド価値向上を最優先に考え、高くても愛用しつづけるファンを少しずつでもどうやって増やすのかといった“厚利少売”思考、つまり本当の意味でのLTVへの指標転換が迫られています。

木村 昌絋

BRANDINGの“ING”をどう仕組化するかが、これからの時代における持続可能なブランドの必須要件に。

こうした転換期に差し掛かる日本企業の事業を強くするために、YRK&のリブランディングメソッドは必ず役に立てるものだと考えます。第三者である我々が、将来を担う企業の幹部やブランドの未来を創るメンバーとともに、他業界や海外の事例、顧客視点に立ち返る機会を設けることで、思考はリセットされ、必ず今の社会・生活者から求められる価値は再発見できるものです。そして、ブランドのファンをつくるだけでなく、長くファンでいてもらうためには、ブランドの活動が止まってはなりません。再発見できたブランドの価値がいつも社会に届き続けている進行形の状態、つまり常に“ING”であるブランドこそが、ファンに愛され続けるブランドだと言えます。

私たちはブランドの立ち上げや、磨き直しのみにとどまらず、“ING”が自走するまで伴走する事業コンサルティング会社として事業成長にコミットし、人口減少時代に不毛な競争によって消耗戦に陥ることなく、ファンと共に成長する企業やブランドを少しでも増やしたいと考えています。

木村 昌絋

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